不思議な会話「パソコンは壊れませんよ」
肩書きもしっかりしていて先生と呼ばれるような人なのに「パソコンは壊れませんよ」という会話を平然とする人がいます。
これは「病気なんかなりませんよ」と言っているのと同じです。
もしこの言葉を病院のお医者さんが聞いたら「私のところに来る人は病気の人ばかりです」と言うでしょう。
パソコンの仕事をしている私のところにも、相談に来る人はパソコンが壊れて困っている人ばかりです。
人は病気になるしパソコンも壊れます。
「パソコンや機械を信じてはいけない」とわかった中学生のときの体験
中学2年生の時の校内の学芸会で私は音響担当になりました。
劇の進行に合わせて、テーブルレコーダーに録音した音楽や音響効果などを流す役割でした。
クラスみんなが力を合わせてリハーサルはとても雰囲気の良い中で行われました。
私もその学芸会の劇が成功するように、前日は遅くまで何度もシュミレーションして、これなら大丈夫という万全の準備をして当日に臨みました。
さていよいよ私たちのクラスの出番になりました。
スタートから順調に進み、舞台装置の切り替わりのために準備していたテーブルレコーダーの音楽を流そうとテープレコーダーの再生ボタンを押しました。
ところが、な、なんと、ついさっきまでちゃんと動作していたテープレコーダーが全く動きません。
再生ボタンを押し、停止ボタンを押し、再生ボタンを何度押しても、うんともすんとも言いません。
舞台の上ではみんなが呆然と立ち尽くし、観客席からは何事が起こったのかとざわざわし始めました。
手先はブルブル震え、頭は真っ白になり体は固まってしまいました。
その時、後に私のパソコンのお師匠さんになる親友が駆けつけてくれ、万が一に備えて用意していたというテープレコーダーを使って、かろうじてその場を切り抜けました。
その後は、その予備のテープレコーダーを使って、予定通りに劇はフィナーレを迎えました。
しかし案の定・・・・。
私たちの出番が終わった後の皆の視線に「針のむしろ」とはこのことか、と思い知らされました。
そして学芸会の最後の校長先生からの総評で「今回の学芸会はどれもとても素晴らしかった。ただ2年生のクラスの劇は、音響担当のミスで台無しになった。あの担当者はひどくて残念だった」と酷評されました。
ちなみに、劇が終わったあとに本番では動かなかったテープレコーダーを再度確認したところ、再生ボタンを押すと、何事もなかったかのように正常に動作しました。
このときの教訓
- 教育者は、失敗をした生徒を皆の前でつるし上げるあげるように責めるのは間違いだ、ということ。
- 機械は、突然壊れる、動かなくなる、ということ。
- 常に万が一に備えて、壊れたときの対策をとっておくこと、予備を用意しておくこと。
後にパソコンの仕事をするようになり、この時の窮地を作ってくれた親友は、私のパソコンのお師匠さんとして、パソコンに関しても貴重なアドバイスをしてくれました。
- パソコンは必ず壊れるもの。
- 常日頃パソコンが壊れないようにできるだけの対策を取ること。
- パソコンは必ず壊れるものだからその対策を取っておくこと。
- パソコンがどんなに進化しても100%大丈夫だと信じてはいけない!
先日も、バックアップ装置が突然壊れて、大事なデータを失ってしまった、という相談を受けました。
パックアップ装置は、高い値段を出したので、壊れないと思っていた。
今まで、一度も壊れたこときがないのに、なぜだ?!